障害者雇用で任せる仕事の切り出し方。制作業務を止めずに回す設計
障害者雇用で一番むずかしいのは、「できる仕事を探すこと」ではありません。会社の中にすでにある仕事を、任せられる形に変えることです。小さすぎると戦力にならず、大きすぎると止まる。その間に、設計の仕事があります。
2026年5月29日時点の公表情報では、2026年7月1日に民間企業の法定雇用率は2.7%へ引き上げ予定で、対象事業主は常用37.5人以上へ広がる予定です。 制度対応を急ぐ企業ほど、採用人数だけでなく、任せる仕事を検収できる単位に分ける設計が先に必要です。
2026年6月1日時点の障害者雇用状況報告は2.5%基準、2.7%への切り替えは2026年7月1日予定という案内が公表されています。 6月報告対応と7月以降の運用設計を分けて考えると、社内の混乱を抑えやすくなります。
特に、すでに外部委託している制作業務を抱える企業は、委託をそのまま雇用へ置き換えるのではなく、字幕、画像リサイズ、資料整形のように品質確認しやすい工程から移す方が失敗しにくくなります。
「何を任せればいいかわからない」という相談は、採用前に必ず出ます。ここで大事なのは、職種名ではなく、作業の単位で考えることです。動画編集なら「動画を作る」ではなく、素材整理、カット、テロップ、字幕、サムネイル、書き出し、チェックのように分けます。
切り出しやすい仕事の条件
- 毎月または毎週、一定量が発生している
- 入力素材と完成形が説明できる
- レビュー担当者を決められる
- 差し戻し基準を言語化できる
- 機密情報の扱いを限定できる
この条件を満たす仕事は、サテライトオフィスでも運用に乗せやすくなります。逆に、担当者の頭の中だけに判断基準がある仕事は、最初に棚卸しが必要です。
制作業務は、障害者雇用と相性がいい
制作業務は成果物が見えます。バナー、SNS素材、字幕付き動画、社内資料、データ整形。完成物があるため、本人も会社も「何ができたか」を確認できます。これは定着支援の面でも重要です。
成果物が見える仕事は、評価と改善がしやすい。評価と改善が見えると、雇用は続けやすくなります。
実際の切り出し例
- SNS運用: 投稿画像の初稿作成、短尺動画の字幕入れ、サムネイル制作
- 動画編集: 素材整理、カット編集、テロップ、書き出し、納品前チェック
- デザイン: バナー展開、社内資料の整形、チラシの修正、画像リサイズ
- 事務: 文字起こし、データ入力、フォーム転記、リスト整備
どれも最初から全部を任せる必要はありません。まずは「完成形が明確で、レビューできるもの」から始めます。慣れてきたら、件数や難易度を上げていきます。
レビュー設計がない仕事は、続かない
仕事を切り出す時は、作業者だけを見るのではなく、レビューする側の負担も見ます。誰がチェックするのか、どこまでが一次チェックで、どこからが最終承認なのか。差し戻しの文言はどう残すのか。ここを決めておくと、担当者の感覚に依存しない運用になります。
Inclusive Studio が初回相談で確認すること
- 不足人数と採用時期
- 社内で毎月発生している制作・事務業務
- 使っているツール、素材管理、セキュリティ条件
- レビュー担当者と検収フロー
- 1名から始める場合の現実的な業務量
相談時点で完璧な業務表は不要です。むしろ、曖昧な仕事を一緒にほどくところから始めます。全体の仕組みは障害者雇用サテライトオフィス支援のページにまとめています。
制度対応の優先順位から見直したい場合は、法定雇用率2.7%対応の整理メモも合わせて確認してください。
制度情報の根拠は 厚生労働省の法定雇用率引上げ資料 と JEEDの納付金Q&Aです。施行前のため、実際の運用前には再確認が必要です。
「自社で切り出せる仕事があるか」を確認したい場合は、初回の無料相談で棚卸しできます。